こんにちは,マリッコです。
何年か前,夫の実家でごっそり着物を貰ってきたことがありました。
その中に入っていたのが,女子の七五三用と思われる帯。
少し細めで短めで,おめでたい感じです。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0052-2-800x556.jpg)
でも,夫は男兄弟だし,従兄弟も男ばっかりなので,もしかしたらもう一つ上の世代(我々の親世代)の誰か(と言っても女子は夫の叔母が1人のみ)に使われたものなのかも?という代物。
叔母も既に70代に足をかけようというところなので,60年近く前のものかもしれません。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2019/05/1538968905910-2.jpg)
アンティーク。
そして,その世代のものは総じて歴史の香りが深くて,触った感じも何となくべたつくような気がするようなしないような…ということで,使うか使わないかは分からないけれどこのまま保管しておいても仕方がないので,どうにかしてみることにしました。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2019/05/2019-05-02-14.32.59-2.jpg)
わたしはピンクの着物が着たいから,
あんまりこの柄は好きじゃないな。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2019/05/1538968905910-2.jpg)
ハッキリしてるな
帯を洗う方法?
色々検索してみました。
その結果,「帯の状態のまま洗うと,表の生地の縮みと,中に入れている帯芯の縮みのバランスが崩れる」ということが分かりました。
おそらくこの香りは樟脳と,カビ臭がほどよくブレンドされたものだと判断。
いずれにしても中の帯芯が大変なことになっていると思ったので,まずは解いてみることにしました。
解く
リッパーを使用して解いていきます。
糸もかなり劣化しているようで,プチプチ切れてしまう感じでした。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0054-2-800x533.jpg)
中に見えている白い生地が帯芯だと思われます。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0055-2-800x508.jpg)
プチプチ行きます。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0057-3-800x533.jpg)
ひらけてきました。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0059-3-800x533.jpg)
帯芯が取れました。
劣化しているのでここでさようならです。いままでありがとう。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0060-3-800x533.jpg)
糸がくっついたまま,アイロンで折り目を取っていきます。
そうすると,のちのち糸を外すのが楽なような気がします。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0061-3-800x533.jpg)
解けました。とりあえず一段落です。
洗う
ここから,洗う選択になっていきます。
ネットでも,この状態で洗ってくれるお店がありました。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2019/05/1538968905910-2.jpg)
解いたものであればこの値段。
それでも,着るか着ないかわからないので,実際にきもの屋さんはどのように洗い張りをしているのか検索してみると,どうやら解いた状態のものは水洗いしているところもある様子。
(モノによるけど)
今回のものは,「織り」で模様を作ってあるもので刺繍などはなかったので,これは自宅でいけるのでは?と思ったマリッコ。
絹製品にも使えるという酸素系漂白剤をリサーチし,いざやってみることにしたのです。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2019/05/1538968905910-2.jpg)
興味が勝ってしまった。
自宅で洗う!
用意したものは,いつものビニールプールと酸素系漂白剤(セブンプレミアムのもの),エマールです。
まず,水を張ったビニールプールに漂白剤を溶かし…
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0090-2-800x533.jpg)
蛇腹に折った帯地を,静かに沈めていきます。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0091-2-800x533.jpg)
そして,お外でメダカの水槽の水を替えるなどして,20分ほどが経過しました。
見てみると…
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0092-2-800x592.jpg)
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2019/05/1538968905910-2.jpg)
ん?金が銀になってない?
水に色が付いているので,どこかの色が落ちたと思われますが,なんと柄の印象を左右するメインのゴールドがシルバーに変化しているではないですか。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2019/05/1538968905910-2.jpg)
金の糸ではなかったのかも?
これは想定外だったわー
仕方がないので,ザブザブと水ですすいで(今回はすべて水を使っています,途中で温度を変えると=ぬるま湯を使ったり水を使ったりと混ぜること=歪みの原因になることもあるそうで),このままお外の水道に持っていき,おなじみエマールでザブザブお洗濯です。
今回はブラシは使用しませんでした。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0093-2-800x584.jpg)
何回か水を替えてすすぎ,いい感じになってきたら水から上げます。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0094-2-800x641.jpg)
色移りはなさそうです。
干す
前回の着物の反物のときと同じように,ハンガーにかけようと思いましたが,反物と比べると短いわりにずいぶん重量があり難しかったので,このように干してみました。
皺にはなっていませんでしたが,気になる両端はパンパンと叩いて形を整えています。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0095-2-800x631.jpg)
うん,どう見てもきれいにゴールドが消えていますね。
ここまできれいに消えたので,これはつまりシルバーの模様に生まれ変わったということです。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0097-800x533.jpg)
アイロンをかける
ある程度乾いたので,アイロンをかけました。
まずは裏から,縦と横にアイロンを動かして,斜めにはかけないようにしました。
(地直しのときとかと同じで,歪みが出ないように)
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0098-800x533.jpg)
表からもかけました。
特にあて布などもせず,中温で。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0099-800x533.jpg)
とりあえず完成です。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2021/09/DSC_0100.jpg)
終わりに
手触りはさっぱりしました。
匂いは,0ではないけれど微かに香る程度なので合格です。
問題は長さなのですが,結構短くなりました。
before→340cm
after→327cm (開いた状態で)
幅に関しては,今回は変わりませんでした。誤差の範囲内です。
色々調べてみたら,この帯は現代で使われている祝い帯よりももともとが少し短めの仕様のようで(仕立て上がりで長さが326cm),このまま同じように仕立てると少し結びにくかったりするのかな?と思っています。
![](http://marikko.net/wp-content/uploads/2019/05/1538968905910-2.jpg)
全くの憶測ですが。
とりあえず帯を解いて洗ってみました。
出来ればせっかくなので娘に着せてみたいな,と思ってはいるのですが,本人の希望を優先させるのでどうなるかな,というところです。
もしかしたら七五三用に2着用意したりして…???笑