こんにちは,マリッコです。
早くも我が家の七五三も最終回を迎えようとしています。
5歳息子,3歳娘,と何とかオール正絹でハンドメイドで制作してきました。
マリッコの好みは,アンティークというか,レトロというか,大正モダンというか,そういう感じ。
パッキリとした柄に,大き目の鶴とか飛んでるような着物に憧れます。
義実家からもらっている,60年以上前の帯なんか使ってみたいな,と思って,洗い張りをしてみたこともありました。
それを横目にみていた,今回の主役こと6歳娘。
わたし,濃い色,好きじゃないんだよね
…と,おっしゃいますと…?
薄い色で,虹みたいな感じで。
ユニコーンとかいれば最高!
出た!虹にユニコーン!!
3歳の時には,まだ大した好みも主張もなかったのでこちらで用意したものを着せましたが,現在では気に入らなければ泣きも喚きもしないけれど,テコでも動かない6歳児。
とりあえず,今回は本人の気持ちを優先することにしました。
虹色の着物とは。
色々調べてみましたが,虹色の反物ってまぁなかなかありません。
虹染め,という手法でやってらっしゃる作家さんがいらっしゃいますが,いわゆるレインボーではなくて,ぼかし染めのような感じで,色は落ち着いています。
100歩ゆずって帯ならありましたが,まずは本体なのです。
ところが,調べていくうちに「虹染め」という幼児に対するシュタイナー教育の分野で,子どものこころを育てる目的での染色の活動があることを知りました。
赤・黄・青の3色を使って染め分けると,6色が浮かび上がるという方法。
薄いシルクの生地を虹色に染め上げ布あそびなどに活用したり,晒を染めておんぶ紐などに使ったりするそうです。
(ちょっと苦手な分野…笑)
画像をどんどん見ていくと,濃い色のものから薄い色のものまでさまざまですが,使う色をもとから薄めというか,淡めのものを使えば希望のものができるかもしれません。
これは,反物から作る壮大な計画になってきました。
反物の虹染め 材料
まずは,もととなる生地を用意します。
失敗するかもしれないですが,成功を前提としたいので最初から浜ちりめんの白生地を12m用意しました。
なんと,徒歩圏内にある染物屋さんから500円で入手したものです。
染料は,みやこ染めのものを選びました。
絹を染める場合,お湯を使うものと,水を使う(30度以上)の2種類があるようでしたが,とてもキッチンでどうにかなる長さでもないので,低い温度でも染まる「コールダイオール」を選びました。
使ったのはこの3色。ユメカワに原色はご法度です。
染めるのに使用した容器は,メダカの飼育用にしていたダイソーの四角いコンテナです。
これに,底に色がわかりやすいようにコピー用紙を敷いて,透明の45Lのごみ袋をかけました。
ある程度の深さがあれば,段ボールにごみ袋をかけたものでも大丈夫だそうです。
あとは,反物を水に浸したり洗ったりするのに使うたらい代わりのプール。
80cmくらいのサイズで,上の子が沐浴代わりのプールに使用していたものです。
それから,染料を溶かす紙コップ,割りばし,ポットにお湯。
それ以外に,できるだけ高い温度で染められるように,大鍋にお湯も沸かしておきました。
反物の虹染め ブロックに分ける
今回の7歳用四つ身の着物を作るには,身頃で5m,お袖で3m以上つながっていれば大丈夫そうです。
我が家の庭では12mをまるまる干すことは難しいこともあり,あらかじめ6mずつに分けておくことにしました。
染める際,私ひとりで作業をするので,できるだけ工程は少なくする必要があります。
虹染めをするときには,布地を6つのブロックに分けるようだったので,布の耳のところに番号を書いておくことにしました。
1つのブロックは15cmとして,鉛筆でしるしと番号を書き入れていきます。
こんな感じで。
染め分けとしては,
②③④に黄色系
④⑤⑥に青系
⑥①②に赤系
を入れることで,③に黄色単独,⑤に青単独,①に赤が単独に入り,その両端は隣の色と混じりあうことで違う色にグラデーションになるようです。
最初は1カ所ずつ染めていこうかと思ったのですが,2回目,3回目と重ねていくごとに色が薄まったりすることもあるらしく,全体のバランスが取れなくなるのも困るのでそれぞれの色に1度ずつひたせばいいように折りたたむことにしました。
まずは黄色系統から染めていきたいので,②③④が表に出るように畳みます。
②の始まりと,④の終わりが重なるようにつまんでいきます。
このとき,ヤマになるのは③の真ん中です。
上の画像の黄色の丸の部分をつまみながら,次の②の始まりと④の終わりを,③をヤマにした状態でつまみます。
同じように最後まで畳んでいき,黄色の丸の部分を両側から洗濯ばさみで止めておきます。
黄色に染めない部分は,くるくると巻いて,大きい洗濯ばさみで止めておきます。
こを,染めるときの持ち手にしました。
ヒダヒダになっている部分(下の画像の黄色い〇の部分)が,黄色に染める部分です。
③の中心が集まっているようになっています。
これで,染める前の準備は完了です。
反物の虹染め 染料を溶かして染める
大きな鍋にお湯をわかしておきます。
たらい代わりのプールにみずをためて,さきほどブロック分けした反物を浸しておきます。
実は,ここで持ち手代わりの大きい洗濯ばさみを外してしまったのですが(均等に浸そうと思って),いざ染めるときに片方を「本当は染めないほう」を染めてしまうという失態を犯してしまったので,洗濯ばさみはどちらもつけておけばよかったと思っています。。。
この間に,黄色の染料を紙コップに出して,ポットのお湯で溶かします。
ダマになりやすいようなので割りばしでよく溶かします。
ちょっとよく分からないので,ささっと入れた分量を溶かしています。
ビニール袋を張ったコンテナに,水を3分の1くらいの量を入れて,さらに大鍋に沸かしたお湯を投入して嵩を増やします。最初から煮えたぎるお湯を入れないのは,ビニールが溶ける可能性があったからです。
次の色のために,鍋には新たにお湯を沸かしておきます。
これに,溶かした黄色の染料を混ぜます。
最初は少し薄めに。
お酢も入れました。
使い捨てのゴム手袋をします。
3色使うので,1色ごとに手袋は変えます。
試しに,似たような生地の端切れをこの中にくぐらせてみます。
正解がわからないけれど,
全然色がつかないな。
濃くしてみようかな。
色があまりに薄すぎたので,また紙コップに染料を出してお湯で溶き,投入してみます。
くぐらせて,水に上げてみたのが下の画像。
よくわかんないけどこんな感じかも。
よし決行!!
水に浸しておいた反物を少し絞って,黄色にイン。
ゆらゆら揺らしたり,上下にしたりして浸透させます。
(そして,ここで片方の浸す場所を間違えていたことに気が付き,あちゃーと思いながら前に進むマリッコ。)
説明文では20分くらい浸すとありますが,結構色が入っているような感じだったので,5分ほどで引き揚げて,再度先ほどのプールに放ち,余分に付いた黄色を落とします。
黄色く染まった様子。
下の画像の,右が合ってて,左が間違ったほう。
ビニールシートに広げ,今度は青の場所④⑤⑥を畳んでいきます。
間違ったほうは,黄色がランダムに入ってしまったので,とりあえず連続した3カ所に青が入ること,そのうち1カ所に黄色が入っていることを考えて畳みました。
もはや何が何だか
プールの水は黄色くなっていたので新しく水をはりなおします。
青も,ある程度色が入ったら引き揚げます。
通常の水よりも温度が高めなので色がはいりやすかったのかも。
同じ要領でピンクも。
正しいほうは⑥①②に,間違っているほうは,染まっていないところを中心の山にして前後を,というように畳んで染めます。もはや神のみぞ知る感じ。
水を変えたプールに,すべての洗濯ばさみを外して放ちます。
ここで本当は台所用の洗剤を使うとよいらしいのですが,見落としておりエマールでじゃぶじゃぶ洗いました。
干します。
コツコツと探して安値でゲットした張り手を使い…
伸子針を使いつつ,干していきます。
普通の正絹の生地のつもりで布のりを塗ってしまいましたが,ちりめんでは必要なかったみたいでリサーチ不足でした。
こうやって見てみると,意外と失敗がわからないくらいどちらもぼんやりした色合いになっていたので,とりあえずOKということにしました。
乾いていくうちに色はどんどん薄まっていきました。結果オーライ。
とにかく縮みがすごい!
反物の虹染め アイロンで幅を出す
取り込んでみると,伸子針をした部分としていない部分の差が歴然。
かなり縮んでいることがわかります。
本来なら,湯のし,といって高温で幅を出すそうなのですが,「湿り気」「温度」「力技」で何とか幅をだすことにします。
広げてある部分にさっと霧吹きで湿らせると,しゅーっと縮んでいく音がします。
そこに,中温ドライのアイロンを当てて熱を加えていきます。
生地が柔らかくなる(気がする)ので,そこで中央から伸ばして,端のナミナミを軽減させるように引っ張ります。
さらにアイロンで形を整えます。
これでだいたい許容範囲になったので,これでよしとしました。
12m分かけて,完成とします。
終わりに
反物を虹色に染めた記録でした。
染料があまったので,手に入れていたつまみ細工に使いたい羽二重も同時に染めてみたりして,楽しんでいます。
この反物は,娘もだいぶ気に入ったようなので,今後刺繍を施し,着物に仕立てていこうと思っています。
お花をいっぱいにしてね,ユニコーンとかいたら最高
独創的すぎない???